仙台すずめ踊は、仙台を代表する郷土芸能の一つです。
春に行われる青葉まつりでは、たくさんの団体がすずめ踊を演舞します。
仙台すずめ踊について
仙台市の八幡には瀬田谷不動尊(仙台市八幡2丁目石切橋付近)があります。江戸時代、この辺りは「石切町」と呼ばれ石工が多くすむ職人町でした。この不動尊は、仙台城の築城時に上方よりやってきた石工たちが、ふるさとである滋賀県近江の琵琶湖の「瀬田」を偲んで祀ったものといわれています。
すずめ踊りは「仙台城築城の際、この石工達が伊達政宗の前で踊ったのが始まり」と言う説があります。残念ながら、伊達政宗がすずめ踊を見たといった記録は残っていませんので、これはおそらく後世の創作であると思われます。
しかしながら、いつ誰が伝えたのは定かではありませんが、仙台の瀬田谷不動尊に神楽が伝わっていたといいます。舞は勇壮で八番まであったらしく、その最後の舞は、踊手全員が舞台で飛び跳ねるように舞う踊りだったそうです。戦後までには神楽の継承が途絶えてしまった上、文献も少なく定かなことはわかりませんが、この踊りがすずめ踊りの起源なのかもしれません。
さて、現在の「仙台すずめ踊」の始まりは、1961年に当時、仙台市第一中学校の校長が、当時の住民の記憶をもとに再現したもので、1963年、地域に根ざした芸能についての理解と愛着を深めるために体育の授業(中学2年保健体育 女子)の中で踊られたものです。その後「仙台すずめ踊」は仙台市第一中学校の中で学習され続け、文化祭などで生徒が披露してきました。
1985年に仙台青葉まつりで第一中学校の生徒がその踊りを披露したことで、一般に知られるようになり、その踊りをもとに1987年に音楽家らの手で現代風の「新・すずめ踊」が考案されました。新・すずめ踊りではテンポがアップし、扇子を2本持って踊るなど大きなアレンジが加えられました。
その後、すずめ踊は仙台を代表する「郷土芸能」として市民に広まり、愛される芸能となっています。そして現在、様々なお祭りやイベントで盛んに踊られています。
明るい笛の音とお囃子で、誰もが楽しく踊れる「すずめ踊」。みなさんも踊ってみませんか?