大内山伏神楽
2013年04月13日
修験道の開祖、役の行者が鳥海山の開山に天下泰平・万民康寧を祈願し、人々が幸福になるようにと獅子頭をつくり、里の人々に授けたことから始まったとされ、発祥は室町時代だという。
修験道の法儀行法を舞にしたもので、全員修験道の装いで舞う。 十二座の舞(十二段頭祈祷)で構成されている。舞一つ一つに修験道の根本理念が行じられ、足をもって空を踏み、足裏の見えるようにする所作は、末法難化の衆生を救済する蔵王権現の姿に準じたものだという。 囃しの太鼓は四つ打ちで四正諦を打ち出し、笛の六つの穴は菩薩の六度の表現で、八通の音色に八正道を修している。このように、神楽そのものが祈祷だという特徴がある。 詞章や神歌がなく、黙劇である。足を踏む音も小さく、笛・太鼓の典雅な音のみが響く。 岩手県に広く伝わる「山伏神楽」とは別のものである。