泊浜のふるだ舞
2015年02月26日
安政のころ(約120年前)この地方も、毎年大旱魃が続いて作物は一粒も実らず、農民は塗炭の苦しみに喘いでいた。一人の農夫が、ひび割れした田んぼをぼんやりながめ、苦しい暮らしを案じていたところ、ふと田んぼの岬のあたりの僅かな水たまりの中に異様な物が群り、動いているのを見た。それは「ふるだ」(がま蛙)がひと固まりになって、小さな水たまりの中で手足を精一杯に動かして舞い踊るように天を仰ぎながら祈るようであった。その時一天俄然かにかきかき雲って、待ちあぐねていた大粒の雨が降り出してきて、さしもの乾き切った田んぼがすっかり潤って、人々は歓喜に踊り狂った。
土地の人々は「ふるだ」の雨乞いが慈雨をもたらしてくれたことを知り、すぐさま「ふるだ舞」に仕立てて、それからの旱天には雨乞いに踊ってきたという。
このふるだ舞は、ふるだを形どった面を付け、上半身丸裸になって唄にあわせて踊るものである。
●時期
旧3月26日。旧10月18日
●所在地
本吉郡歌津町字泊浜