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浅部法印神楽

2015年03月12日

 古伝によれば、浅部法印神楽は陸中東山に発し、康暦年間(約六〇〇年前)に岩手県黄海西口に伝わったものだが、寛保の頃(約二四〇年前)に登米郡郡上沼村白旗山の妙覚院に流伝し、西口流と称したが、後に加茂流なるものが併さって独特の法印神楽が伝承されていた。
 当時、登米郡内の六ヶ院の修験院が神楽団を組んでいたが、明治六年に浅部村三寿院が日高見流法印神楽として現在まで伝わっている。
 この法印神楽は、俗に浜神楽とか桃生神楽とか言われている牝鹿、本吉、桃生、郡内豊里町に伝わる法印神楽や、加美郡薬莱のもの、仙台大崎大幡のものとは異伝のものである。舞台の大乗飾り、装束、神諷など芸態も違い、太鼓やその奏法、笛の曲調なども大きく異なっている。しかし、演目の主題に相似性があり、法印神楽と称しても現存する神楽では、この浅部と上沼の法印神楽のみが独特の特色を持っている。
 この神楽については、本田安次先生の大冊の名著「陸前浜の法印神楽」に異伝編として詳細に記述されている。

 構成は、大太鼓(桶胴の締太鼓)一名、笛一~二名、舞人一~十名ほど。

 曲目は、もともとは五十番近くあったが、現在伝承されているものは、宮静、生束、三種荘、岩戸、初矢、後天、宇賀玉、神宝、邑雲、高千穂、笹結、注連切、盤牛、萬歳楽、柴折、伊吹山、塵取、四ノ宮、七福神。

時期
 三月十五日、九月十五日、白山姫神社祭

所在地
 登米郡中田町浅水字浅部玉山

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