上滝神楽
2015年06月25日
上滝神楽は、愛敬院の歴史とともに古く、本尊不動明王に献ずるために始められ、不動尊別当及び信徒らによって代々受け継がれていた。幾多盛衰を重ね、今より約百八十年前、義民菊地多兵衛が不動尊を篤く信仰し、私財を投じて浄財を集め、仁王門を建立した。そして、その落慶に神楽の奉納が行われた。
その後、混沌たる余剰となって神楽も一時崩壊寸前となった。しかし、明治時代に民心が安定し、明治元年伊達家のお抱え神楽だった千貫神楽等とも連携を保ちつつ、現在の神楽として復興した。
現在の上滝神楽は、往時有したといわれる四十八幕より、そのうちの十二幕を残している。各部ごとに囃子の曲が異なり、舞の緩急によってその調子を変え、特に太鼓の打ち方には特色がある。
構成は、大太鼓、つづみ大鼓、銅鈑子、笛、舞方の合計十名ほどで構成されている。
曲目として現存する十二幕は、一年十二ヶ月、また東西南北十二方位年回りを意味する十二支に配し、年中除災、四方安泰、永代安穏を祈念するものである。幣束舞、四方固めの舞、法剣の舞(片剣)、阿吽の舞(剣舞)、恵比寿舞、春日舞(鬼切り舞)、末広の舞(扇神子舞)、開運の舞(種子蒔舞)、八幡舞(法弓の舞)、三剣舞、明神舞、獅子舞。
時期
不動尊祭の日(四月二十八日、二十九日)
所在地
伊具郡丸森町字不動